WUG FINAL LIVE in SSA 〜刹那の中にあった涙と笑顔の空間〜
2019年3月8日 17時15分
僕はひとつの物語の終わりを見届けるべく始まりのゲートの前にいた。
この日を迎えるにあたっての覚悟を10日前に決め、この覚悟がブレないように5日前からは距離を置いたりもした。それでも、ファイナルについて考えない日はなかった。しかし、毎日終わりを実感していたはずなのに、この日は不思議とその感覚がなかった。ファイナルライブを楽しみにしている気持ちと程よい緊張感でソワソワしながら時を待つ。
17時30分 ゲート・オープン。
中に入ると、どこまでも続くフラスタの道。あまりの多さに全てを見ることが出来なかった。いや、途中で見るのを止めた。ひとつひとつの愛の重さに涙腺が耐えれそうになかったから、僕は座席へと向かったのだ。座席に着き、時間が経つにつれて埋まっていく会場を見て、感動していた。
「本当に埋まるんだな」
そう思いながら始まったSSA公演。
・タチアガレ!〜言の葉青葉
一度は生で見ておきたかった制服衣装。どんなに大人になっても制服を着ると少女 になるのだなと思った。そして、初期を象徴するこの5曲をこの衣装で観れたことが何より嬉しかった。
ここの十数曲をひとつにまとめるのもあれだが、総じて感想が楽しかったしか出てこない。もちろん、極スマでみゅーちゃんが2番の歌詞を歌ったり、キャラソンメドレートロッコの綺麗な虹のブレードワークだったり、どの曲をどこで披露していたかなどは覚えている。しかし、それを観ての感想はやはり楽しかったしか出てこない。ファイナルという場で、それこそ今日で最後に聴ける曲たちなのに理性をなくし本能で楽ませてくれたことに、7人の凄さを感じざるを得ない。
やはり今のbtbは凄いと思いつつもツアーの時に感じた圧が感じられなかった。会場が広いから、自分が慣れてしまったからとか色々考えながら見ていると、みにゃみの「WUG最高〜!」がとても力強くて一気にこの曲の世界に持っていかれた。そして通路を歩いてセンステでのパフォーマンスを見ている内に、これはいつもみたいに魂で歌っているのではなくて、2次WUGのキャラクターを憑依しているのではと思うようになっていた。今まで見ることのできなかった劇場版の続きを見ているのだと。僕が思い描いていた結末とは異なっていたけど、それでもこの曲の物語の完成を見た気がした。
・海そしてシャッター通り
まずは歌い始めのまゆしぃ。歌っている表情が見たかったので視線をモニターへ。雫の冠の時も思ったが、どこかリラックスした表情と優しい眼差しから、きちんと解散や未来について長い間自分と向き合い、何か答えを見出したんだなと感じた。そして、1番が終わるとメインステージへと向かうその姿に景色を見た。向こう側の200レベルの席に海や空が、通路には海岸沿いのコンクリートの上を歩くWUGちゃんが見えた。そして、みにゃみの「バースデーケーキ」の歌に優しさを感じた。
・言葉の結晶
どこの場面かは忘れたが、メインステージのライトを線で繋ぐとダイヤモンドのように見えてしまい、その中でWUGちゃん達が歌っているというエモい図が出来てしまった。その景色を見て、自分の心の中に入ってきたWUGという光をダイヤモンドのように一生輝かせていきたいなと決心した。
・土曜日のフライト
いつもと変わらない土曜日のフライト。だが、よっぴーとみにゃみの感情が爆発した瞬間があった。
「忘れないで でも上手に忘れて」
「悔しい 怖い 泣きたい もうそのレベルじゃない」
よっぴーの絶唱はまだわかる。でも、みにゃみの絶唱には思わず鳥肌が立ち、この興奮は曲が終わるまで治らなかった。
・さようならのパレード
この曲、今日が初見。各曲の振りが散りばめられていると聞いていたが、実際観ると無理だった。歌詞から振りからWUGの6年間を一気に見せられてる感じで涙を流す余裕を与えてはくれなかった。ただただ圧倒さえてタオルを口に抑えて見てた(超真剣で何かを見るとき無意識に手を口で覆う僕の癖)。
でも最後の礼には涙した。WUGという重さを背負った者ではなく、この地球の大地に足をついて生きている者としての、1人の人間としての感謝を伝えるその姿に涙を流さずにはいられなかった。
・SHIFT・地下鉄ラビリンス
ここも楽しいしか感想がない。強いて挙げるなら、ツアーpart3でやっていたラップバトルをここでもやってくれた事にありがとう。
・TUNAGO〜タチアガレ!
「この出会いが そのひとつだといいな」
このあたりから「もう終わってしまうんだな」と感じ始め、「まだ終わりたくない」と思うと同時に泣きそうになってた。曲が終わり、かやたんの最後の言葉に本当に終わってしまったことに対する涙が。
そして「Polarisやってないよなぁ」と思いながら半泣き状態で「Wake Up,Girls!」コール。
しばらくして、登場してくれたWUGちゃん達に安堵とPolaris衣装に感動した。そのまま曲にいくのかと思いきや、メンバー1人ずつのワグナーに対する手紙の朗読。読み始める前から既に泣きそうだっただけに、みゅーちゃんの段階で号泣してしまいブレードを置いての鑑賞。彼女たちの涙に泣き、言葉に泣き、7人が読み終わるまで涙が止まることはなかった。
そして始まるPolaris。泣きながらこの曲を聴くのは岸和田以来。曲が進むにつれて治りつつあった涙も、円陣の振りのあたりでまた「終わりたくないなぁ」と思うようになり泣いていた。視界全域が一斉に白から赤に変わったことに見惚れ、「満点の星空をありがとう」を噛み締め、隣のワグナーと肩を組みこの曲は終わった。
その後、曲中に感じた終わりたくないという気持ちがWake Up,Girls!という言葉として口から自然と出ていた。自分一人だけが飛び出してしまったのではないかと思ったが、その場にいる多くの人が同じタイミングで叫んでいた。
「終わりたくないのは自分だけではない。WUGちゃん達もそうなんだろ?だったら、お願いだから出てきて。WUGのライブに来て泣いて帰るなんてできない。あと一曲でいいから、出てきてくれ。」
そういった想いを込めて必死に叫んだ。僕たちの想いが届いたのか彼女たちは出てきてくれた。そうして始まるトリプルアンコール、タチアガレ!。
まゆしぃが叫んだ「明日のことは考えなくていい。とにかく叫べ」。言われなくてもそうするつもりだった。でも、彼女が言うと勝手にリミッターが外れる。本気以上を引き出してくれる。そこからはとにかく叫んだ。途中声が出ているのかどうか分からないくらい叫んだ。もうあれはコールとかそのレベルじゃない。1万3000人の雄叫びが会場に響きわたる。視界には元気に走りまわるWUGちゃん達の姿。僕をWUG沼へと叩き落した3rd極スマの映像のように、振りに縛られず自分の動かしたいように体を動かし歌う姿。今まさにここに生きているという姿を最後に見ることができて大満足の最終曲だった。
曲が終わり、全てを吐き出させてくれたこの曲に、もう一度出てきてくれたWUGちゃんに感謝の言葉「WUGちゃんありがとう!」を何回も何回も叫んだ。これのおかげで悔いなく笑顔で終われた気がする。
しばらく休憩していると、2つ隣の席のみにゃみ推しワグナーさんに声をかけられた。
「(僕が)あまりにも泣いていたから、思わずもらい泣きしてしまいましたよ〜」
正直嬉しかった。その人の涙のトリガーが僕の涙だったことが凄く嬉しかった。
彼らに「お疲れ様でした!」と伝え、やってきたお見送り会。
最後に感謝を みせよう 贈ろう
ステージを見て心から自然と湧いてきたあの言葉。
公演中何度も叫んだあの言葉。
その言葉を一人一人に直接言える場がある。
彼女達の目を見て言った
最期の言葉は
“ありがとう”